8団の礎(いしずえ)
BPのことば(9)
「訓練はどこでも必要である。若いときは小さいことから実行することを学ぼう。
そうすれば、将来困難や危険に出会っても対処できるようになるであろう。」
前回、BPは女性の教育は大事だと考えていたと紹介しました。
だから少女たちに年齢に応じた訓練プログラムを提供するガールスカウト教育を広めようと尽力されたのです。訓練というと硬い言葉で抵抗を感じるかもしれませんが、「自分を磨く」ということではないかと思います。
ガールスカウト日本連盟は、2001年から実施されている教育プログラムを通して、日本の少女たちに「自分自身と他の人々の幸福と平和のために、責任ある市民として自ら考え行動できる女性」になってほしいという願いを掲げました。そのために、少女の心身の発達を考慮して、テンダーフットは「豊かな感性を持つ」、ブラウニーは「自分を表現する」、ジュニアは「仲間と協力する」、シニアは「体験を通して自分を見いだす」、レンジャーは「責任ある立場で自分を生かす」という部門ごとの目標を設けています。リーダーは、指導者の訓練としてこの目標を目指してスカウトを導くことができるように、講習や研修を重ねているのです。
「小さいことから・・・」と言われていますが、自ら考え、行動できるようになるための最初の小さな一歩はどんなことだと考えればいいでしょうか。
テンダーフット部門リーダー 松下 倶子
BPのことば(10)
「ほんとうの訓練とは、たとえ、それがどんなことであろうと自分に与えられた仕事をするということだー命令に従い、それを遂行するのが自分の義務だという理由だけで。」
訓練―あることを実際に練習し、習熟させることと辞書にあります。
何度も何度も同じことを繰り返して練習して上手になるということでしょう。
水泳でもピアノでも、ガールスカウトのいろいろな技でも同じです。
ピアノが弾けるようになるのが私のすること(仕事)と決めたから、先生のおっしゃるとおり何度も練習するのではありませんか。救急法もロープの技も人に役立つガールスカウトになろうと自分が決めたから、いざという時すぐに役立つようにリーダーが言うとおり練習を繰り返すのではないでしょうか。
よく自分独自のやり方をしなさいとか、新しい考え方でやりなさいとか、創造的な生き方をしなさいとか言いますが、独自とか新しいとか創造的とかいうことは基礎、基本、伝統とかが何であるかを知らずに生まれてくるものではありません。
まずは基本を知り、自分が基本的なことができるようになって、どこを改革すればよいかを考えることができるのではないでしょうか。
ガールスカウトの基本―集会には私服でも会員ピンだけは着ける、開会の時の姿勢、座っている人に向かって立ってサインをしない……等々スカウトなら当然の細かなこと訓練できていますか。
身についていますか。
テンダーフット部門リーダー 松下 倶子