8団の礎(いしずえ)
BPのことば(19)
「少年たちにさせるべきことに指導者が手をだしすぎてはいけない。『何かやらせたい時は自分でするな』(When you want a thing done, don’t do it yourself.)とは良い言葉である。」
「我々はすべての少年たちに、自分から進んで自分で自分を楽しく伸ばしていかせたいのであって、外部から型にはまった教育的指導を押し付けたくないのである。」
さあ、2011年度が始まりました。8団は4月9日から集会を開始し、16日が入団式、フライアップの日です。
スカウト : テンダーフット 3人、ブラウニー 6人、ジュニア 7人、シニア 5人、レンジャー 5人、スキャップ 7人、リーダー 15人での出発。
団委員は 13人が奉仕してくださいます。
新しい団委員長、担当が替わって新しい部門を担当するリーダー、新しく入団してくださったリーダー、と新鮮な雰囲気です。
団の大きさがどのように変わろうとも、ガールスカウト活動がなにをめざし、なにを少女たちに伝えるかは変わりません。「数が少なくなったということは、質を高めるよい機会だ」と以前に教えられました。家庭で、学校で、街で、一人ひとりのスカウトの振る舞いを見た人が「ガールスカウトってこんな素敵な少女を育ててくれるんだ!」と思ってくだされば、「私もガールスカウトになりたい。」とか「私の娘をガールスカウトに入れたい。」とか思ってくださる少女や大人を増やすことにつながるかもしれません。今年度一緒に活動するスカウトたちを大事に、丁寧につきあいましょう。そのために大事なことの一つは、8団に関わる大人たちみんなが「待つ」と「見守る」という姿勢を持つことだと思います。
もう昔になりますが、「『待つ』と『見守る』について」という議案が日本連盟の理事会に提出されたことがありました。ガールスカウトでは物事を教え込むのではなく少女たち自身から考えが出てくるまで待つこと、自分たちで決めたことをやり始めたら、少女たちがやることに口出しせずに見守ることを基本的な考え方として行こうと決めたのです。あとになって、リーダーのハンドブックで「指導」より「支援」という言葉が多く使われるようになったことにつながっているのかもしれません。
いろいろなことを知っていて、よくできる有能な大人は、子どものもたもたしたり迷ったりする様子を見ると、つい手伝ったり、助言したりしたくなるようです。特に早く結果を出すゲームなどで・・・そこをじっと我慢して、スカウトの自分でやり遂げたあとのうれしそうな笑顔を待ちましょう。
このことを今年度の団のモットーとしてはどうでしょう。
<参考> リーダーシップ
ボスは部下をあごで使い、
リーダーは指導する。
ボスは権力に頼り、 リーダーは善意に頼る。
ボスは恐怖をあおり、 リーダーは情熱をかきたてる。
ボスはいつも自分本位、 リーダーは全体のことを考える。
ボスは仕事を命じ、 リーダーは自ら模範を示す。
ボスは時間通りに集まれと言うだけ、リーダーは時間前に行って待っている。
ボスは物を壊すと咎め、 リーダーは壊れた物をなおす。
ボスは仕事のやり方を口で言うだけ、リーダーは実際にやって見せる。
ボスはあくせく仕事をやらせるが、 リーダーは楽しく仕事をやらせる。
ボスは「これをやれ」と命令し、 リーダーはこれをやろうと促す。
なにごとにもリーダーは必要だが、ボスはいらない。
作者不明の詩です。 あなたはどっちでしょう。
テンダーフット部門リーダー 松下 倶子
BPのことば(20)
「 「一般的にいって、(集会の計画について)アイデア不足の時、あなたが自分で、スカウトたちが好きに違いないと考える活動をスカウトに押しつけてはいけない。
それより、スカウトが一番魅力を感じる活動は何かということをよく聴いて、質問をして、見つけ出しなさい。そして、それらの活動を、どの程度やればよいか、スカウトたちにとってためになるものになるのかを予測するようにしなさい。」
アイデア不足でなくても、リーダーたちは、スカウトたちにとってよかれと自分たちが思うことを基にして集会の計画を作ることが癖になっていないでしょうか。
この一学期、あるいはこの半年、何をめざして、またはどのバッジ取得をめざして、どんな活動をするか、スカウトたちがパトロールで話し合い、パトロールリーダー会議で調整して、実施し、一段落したところで振り返りをして次の段階に進む、
<計画―実行―反省(Plan―Do―See)>というごく基本的な経過を日常的に繰り返すことができているでしょうか。
この経過を繰り返すことを通して、一人ひとりのスカウトはパトロールの中でできる限り自分の考えを声に出して発表すること、人の考えも聞くこと、パトロールで相談して一つの案を決めることというプロセスを体験することができます。
また、パトロールリーダーは、全員の意見を出してもらって相談を先導し、パトロール案を決めて、パトロールリーダー会に提案するというリーダーシップを発揮する経験をするのです。
受身できれいに整理された計画に従って整った活動をして、大成功という結果を得ることも大事でしょうが、上記の経過を経験することがより大事であると思われます。
「結果より経過」とよく言われることです。
そして自ら希望して、計画し、実行してバッジを取得したら、このバッジに関することについてはいつでもお役に立てますという看板を掲げたのですから
「そなえよつねに」を自覚して、その知識と技を磨いておくということがスカウトのつとめだと思います。
リーダーはこのプロセスが円滑に進むように見守り、どこまで活動を進めれば、スカウトにとって有益なものになるかを先回りして考えておいて励ましたり、修了を示唆したりできるようにしておくことが必要です。
テンダーフット部門リーダー 松下 倶子