8団の礎(いしずえ)
BPのことば(1)
「私は本当に幸福な一生を送った。あなた方一人ひとりが、私と同じように幸福な人生を送ってほしいと思う。」
ベーデンポウエル卿(以後BPと書きます)は前半の軍人としてイギリスに勝利を齎した貢献者としての生涯と、後半のスカウト運動創始者として世界中を廻って少年たちに道しるべを示した運動家としての生涯と、幸せな「二つの人生」を送られた方でした。(Two Lives of a Hiroという名の伝記があります)。
BPが少年のためにボーイスカウト運動を、そして少女たち自身の希望に応えてガールガイド運動(イギリスで始まった当時の名称)をはじめられたのは、若い人たちが自分で本当に幸せだと振り返ることができる生涯を過ごしてほしいと願われ、そのための心と技を身につけてほしいと、「やくそく」と「おきて」、ロープワークやゲーム、キャンプなどのプログラムを考案して指導されたのです。
私たちは毎回の集会の活動を計画するときや団委員会の活動を考えるとき、スカウトたちがこの経験から「幸せな生涯を過ごすことができる女性になるために」どんなことを学び取るか、どのような心を養うことができるかということをちらっと思い出したいですね。
レンジャーリーダー 松下 倶子
BPのことば(2)
「ガールスカウト運動の目的は、3つのH、すなわちHealth(健康)、
Happiness(幸福)とHelpfulness(人に役立つこと)を持った市民を育てる
ことである、と、私は何度も何度もくりかえして説明してきた。」
毎週の集会、毎年の年中行事を何年も繰り返していると(ということはリーダー経験が長いということです)、ふとこの面倒なこと、なんのためにしているのかなという思いがよぎることがあるかも知れません。そんな時「原点を振り返ってみよう」とよく言われます。少女たちが、これからの長い生涯を自分で幸せなものにしていける能力を身につけ、それを発揮できるようにしてあげるのが大人の指導者(リーダー、団運営員、SCAPPともに指導者といえます)の責任です。
少女たちが、自分の体のことを心配しないでやりたいことを思う存分やれるような健康と体力と精神力(心の健康)を身につけるために、ガールスカウトはどんな役立ちができるでしょうか、日々の衣食住が十分に与えられて、勉強できる環境が整えられて、課外活動やガールスカウトで友だちと心楽しい時間を持てるという幸せを感じる機会を作ってあげているでしょうか、与えられている物心の豊かさを感謝する気持ちが他の人のためになにか役立つことをしようという思いの元であることを知って、その方向に導こうとしているでしょうか。
イギリスのガールガイドの雑誌の投稿欄に、ブラウニーのスカウツ・オウンのことば
「神さま、わたしにお父さんとお母さんを与えてくださってありがとう」が載っていたことがありました。
レンジャーリーダー 松下 倶子